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3G iPhoneが正式に発表された。ハードウエア面では競合と比較して目立った点はないが、199米ドルの販売価格は市場関係者に戦慄を与えるに十分だ。Digitimesによると、スマートフォン大手HTCのCEO件総経理周永明氏は、「現在HTCのTouchシリーズは、ヨーロッパ・日本・米国などの市場での契約販売価格が全て199米ドル以下に抑えられ、通話料パッケージとの組み合わせでは無料の場合もある。アップルの低価格戦略に対し、当社は特に懸念していない」と表明した。
3G iPhoneの販売価格は199~299米ドルで、第1世代iPhoneの定価から499~599米ドル、また値下げ後の価格から399米ドルの大幅安となったことが最大の注目点となっている。この低価格戦略は、iPhoneと同じくスマートフォンに分類される製品を発売しているHTC、サムスン、LG、ソニー・エリクソンや、今年下半期に新製品の発表を予定しているノキア、Garminなどに大きな衝撃を与えている。
尚、3G 版iPhoneの価格が発表された翌日(10日)、スマートフォンメーカーは価格調整を迫られるとの憶測から、HTCの株価はストップ安となり取引停止に追い込まれた。
周氏は10日、「携帯電話の売価は携帯通信キャリアの補助によって異なり、例えばアップルの契約販売価格とHTCの携帯本体価格を比較することは適切でない。事実、HTCのTouchシリーズはヨーロッパOrange、T-Mobile、Vodafone、また日本や米国などの大手通信キャリアと提携していており、キャリアからの補助金を考慮した価格は全て199米ドル以下となっている。Orangeはプランによって無償提供を行うなどの戦略もとっており、HTCの価格競争力については全く審判していない」と指摘した。
アップルとの正面からの競争についてHTCの周氏は、「益々多くのタッチパネル式携帯電話やスマートフォンが市場に投入されることによって、我々メーカーは消費者により良いモバイルライフを提供することが可能となる。これはHTCの10年来の願いと一致したことだ。しかしこの市場は非常に大きく、1種類の製品が市場を独占するなどあり得ない。当社の戦略は常に完璧な製品レンジを備え、各キャリアとの提携関係を維持している。例えばCDMA製品ではSprintやVerizonと協力するなど、W-CDMA陣営に限った対応ではない」と表明した。
携帯関連業者は、「HSPA、Wi-Fi、GPS、200万画素カメラ、3.5インチタッチスクリーンを含めた3G iPhoneのハードウエアスペックを見ると、旧型iPhoneに3GとGPSの機能を追加しただけだが、価格設定と販売戦略については明らかな違いがある。今後、iPhoneより携帯電話を高く売ろうとするメーカーは現れないだろう」と語った。
さらに、「アップルはiPhoneの売価を大幅に下げたが、iTunesなど関連するアプリケーションサービスから利益を得ることが可能だ。このようなサービスではノキアを除き、他の携帯メーカーには殆ど着目すべき点がない。今後、携帯メーカーが今までのようなサイクルで次々とモデルチェンジを続けるかどうか、注目に値する」と指摘した。
周氏はこのような指摘に対し、「HTCは短期間の内にアプリケーションサービス産業に参入する予定はない。しかしHTCは長期にわたって移動キャリアとの提携関係を維持しており、全世界で50~60社に達している。多くのキャリアがアプリケーションサービスから利益を得ており、HTCも更なるパートナーシップ強化を図っていく」と強調した。