Site Meter アジアのEMS/ODM情報  台湾PCBメーカーが見る華東と華南の投資環境 忍者ブログ
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台湾のPCB技術は長年に渡り発展を遂げ、多くの企業はすでに工場を中国に移転した。中国には相当数の中国系PCBメーカーがあるが、台湾企業に追いつくには更に5年の歳月が必要と、台湾系PCB企業の関係者は分析している。 

Hsiang Kuo社(翔国電脳)は東莞、蘇州に工場を所有している。同社の頼麒瑜副総経理は両拠点の相違点について「蘇州には国際的な大手企業が多く、世界500強の内100強がこの地区に進出している。台湾系企業はこれらの大手企業向けのサプライヤーとして現地で投資を行い、また蘇州工業区は環境も完備されている。一方、東莞の茶山には中小企業が多い」と語った。 同氏は、「蘇州と東莞における投資は、市場に相違がある。次に法律の相違があり、東莞の法律は複雑だが、蘇州は非常に明確である。さらに東莞は料金徴収の名目が多く、例えば長江三峡ダム基金や引越し補助金等が挙げられる」と述べた。 

また環境保護について、東莞などの実行基準は工場によって差があることがあり、蘇州ではそのようなことは無い。しかし、いずれにしても各地の環境保護基準に関する要求は厳しく、既にメッキ工場に対する新たな操業許可証の発行は停止されている。メーカーは工場を拡大するならば、現有の工場所在地でしか行えない。環境保護部門は廃水の排出などを厳しく管理している。 

両地における投資では、いずれも中国ローカル企業との競争に直面し、特に値下げ競争が非常に激しくなっている。例えば、台湾メーカーの原材料の価格が、中国企業の製品価格に相当する場合もある。中国企業が価格をここまで低く抑えられる理由は、生産運営の費用が安く、品質管理費用も発生しないということだ。価格が安価なために、中国企業は容易に受注オーダーを得ることが可能で、台湾メーカーを脅かす存在となっている。 既に多くの取引先が低価格で中国企業にオーダーを発注することで、台湾メーカーに値下げを要求している。現在、取引先からの要求は製造に関するものに止まらず、サービスに対しても同様の状況だ。 

両地の間には従業員の相違も存在する。蘇州の従業員とはコミュニケーションをとりやすいが、東莞の場合は同じ話を何度も繰り返し伝え、さらに何度も疎通を図る必要がある。また従業員の積極性と協調性も両地で異なる。しかし東莞で工場を設立することによるメリットもある。原材料の価格が蘇州より1~2割安く、加えて東莞は従業員の給料も比較的安い。 

PCB産業の技術面については、依然日系企業が強く、台湾系企業が続く。しかし現在の台湾系企業にとっての最大のライバルは中国企業である。現在、多くの台湾系企業が沿海部から内陸へと生産拠点を移転しつつあるが、Hsiang Kuo社は、価格競争力のみを求めるために内陸に進出するのではなく、より多くの国際的大手企業から受注を獲得できるよう努力している。これら大手企業との取引では大きな問題も発生せず、金銭トラブルも存在しないためである。
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